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石工

「むれ源平 石あかりロード」がある牟礼・庵治エリアは石の町。庵治石と400年に渡って深く関わってきた歴史がある町です。採石する丁場、石加工する工場、そこに築き上げられた匠の職人達の技など、ここでしか見られない『石の文化』があります。

石あかりロードを歩きながら、この地に脈々と受け継がれる「石の文化」を感じてもらえたら嬉しいです。

石あかりロード実行委員会 × 高松大学 (2016年)

石あかりロード実行委員会は、高松大学と協力し、石あかりロードの魅力をもっと伝えるためのプロジェクトを進めています。

第一弾「石あかり×源合戦平」(2015年)に続き、今回は、高松大学の学生さんが、石あかりを制作する職人「石工」さんや、石あかりロードの企画・運営に携わる人にインタビューし、記事にまとめてくれました。


『第一線で活躍されている石工さん』 - 島本 清司さん(48歳) 石工歴25年

学生:石工をするうえで、技術的に大変なこと、または気を付けることなどはありますか?

島本:気を付けることは多すぎてどれから言えばいいのかわかりませんが・・・。作品にもともとの傷が残らないようにすることです。石は自然のものなので、傷が入っている場合もあります。作品に傷があるといけないので、まず石に傷があるのかないのかを目で確認してから作業を始めます。

学生:普段はどのような仕事をしていますか?

島本:普段は主に、墓石を作っています。

学生:墓石以外にもオリジナルの作品を制作することはありますか?

島本:オリジナルというよりは、「石と盆栽」、「石と漆器」など様々な他の分野の作品とコラボレーションすることで「新しいもの」を作っています。例えば、玉藻公園のイベントに2~3年ほど前から参加していて、漆と石がコラボレーションした作品を作っています。石に食材を乗せることを考えたんですけど、食材を直接乗せてしまうと油や醤油などが染みてしまうので石に直接食材を乗せることはできません。そこで漆器の職人さんと話をして、石に漆を塗るということを考えました。で、完成したのが、石の真ん中に窪みをつけてそこに漆を塗ったお皿です。このお皿なら、食材を乗せることができます。食事をしていただいている際に、石の説明などを聞いてもらいました。後半には、ワークショップ体験なども実施しました。また、石あかりロードのお話も聞いていただきました。

学生:石あかりロードに出展する作品はどのように作っているのですか?

島本:まず、デザインから考えるのではなく、おおざっぱな形から決めます。そこからインスピレーションでどんどん形を変えていき、納得のいく形に落ち着き、完成します。

学生:最後に、むれ源平石あかりロードに対する思いをお聞かせください。

島本:たくさんのお客さんに来てもらいたいです。そして、楽しんでいただき、地元牟礼町の元気、活発さ、人柄を見ていただきたいです。また、地元の子供たちが県外に出た際には、石あかりロードを自慢できるような文化として盛り上げていきたいです。


『石工会の若きエース』 - 水村 仰さん(22歳) 石工歴5年

学生:水村さんは、大きな大会に参加して、賞を受賞したとお聞きしたのですが、それはどのような大会だったのですか?

水村:「第43回技能オリンピック国際大会」という大会に参加しました。この大会は、オリジナルのものを作るのではなく、設計図を渡されて階段、円柱、複雑な立体などを寸法どおりに制限時間10時間以内に完成させるという内容でした。国際大会は、様々な部門に分かれていて、石工職種部門に参加し、金賞を受賞しました。

学生:何かオリジナルの作品を作成していたりしますか?

水村:オリジナルは、「あおぐがえる」という少し上を向いているかえるの作品です。「あおぐがえる」の「あおぐ」は、僕の名前からきています。僕の名前の由来である「常に仰ぎ見て、常に志高く、目標をもって頑張る人間になってほしい」という思いを「あおぐがえる」にも込めています。

学生:石あかりロードに出展する作品はどのように作っているのですか?

水村:初めて出展したのは、5年前ですが、石あかりロードは、僕が携わるずっと前(12年前)から続いています。毎年、新しい作品が出てきていますが、キノコや犬や動物など具象的なものが一番多いので、そのような見たことがあるよなものではなく、僕は今までに見たことがないような新しいものを作りたいと思ってデザインを考えています。
 自分が作った作品が人気投票などで多くの票を集めているとすごく嬉しいです。今までに出展したオリジナルの作品は、すべてお客様に購入していただきました。その中には、県外の石屋の方もいて、自分と同じ職種で働いている人にお金を出して購入していただいたことで、自分の作品が認められたように感じました。



岡本 俊之さん(53歳)/石あかりロード実行委員長
中村 卓史さん(40歳)/企画委員長


(左)岡本 俊之さん、(右)中村 卓史さん

庵治石ってどんな石?

世界で一番貴重で、美しく味のある花崗岩。
花崗岩(御影石)の中で、最も高価な石種。
風化に強く、石質も最高。
石工の技術を引き出し、思いを込めれる石。
造られたお墓、彫刻などを建てたり、祀ったり飾ったりすることで最高の満足感を得ることができる石。

庵治石→お墓として使われるのは全体の3~5%。世界一高い。

こんなところに庵治石が!!

・1964年 東京オリンピックの聖火台の土台に使われた
 「次回のオリンピックにも使ってほしいと働きかけをしている」
・男木島 灯台
・玉藻公園 一つ石で作った大きな橋
・愛媛県道後温泉 湯口

石あかりロードに来たお客さんの反応・感想

「よかったです」、「また来たい」と言ってくれる。
ガイドをしている時、説明をすることで伝わる部分もある。石あかりを作った人はどんな人か、加工内容、コンセプトなどを伝えることで、より詳しく知って見てもらえる。
石あかりロードにくる人はリピーターが多く、県外から来てくださる方で、毎年うちわを持ち帰り、集めてくれている人もいる。

石あかりロードに対する思い

岡本:石あかりロードを始めた街づくりの会からかかわってきて、こうゆうのしたら面白いんじゃないの?で始まった石あかりロード。気が付けば地域の人、地域外の人、沿道の人、そして石屋さんみんなの力と支えと理解で11年間も迷いなく続けられてきました。県内外毎年楽しみに来られる石あかりファン皆さんもたくさん出来ました。ホンマ毎年準備は大変で問題もたくさんあるけど、始まって来た人の笑顔を見るとこっちも笑顔になり嬉しくなる。なんか石あかりのない夏なんて想像もつかんし無かったら何してるんかと思う。つまり私にとって石あかりロードを楽しみにして来る人がいる以上なければならない存在です。

中村:石あかりロードの目的は。「牟礼のまちをよくすること」です。決して、石材業の振興が目的ではありません。もともと「むれ源平まちづくり協議会」での議論の中で生まれ、牟礼の特徴である「源平史跡」と「石材産業」を軸に様々な方々が協力しあって、楽しみながら牟礼の良さを再確認し、それに関わる人と人の絆を深めていくことが一番大切なことです。牟礼で生まれ育った子どもたちが、いつか県外に行っても、ふるさと・牟礼を自慢できる、そんな地域にできればと思っています。